森川智之プライベート・コレクション

「BLACK VELVETシークレットミニライブ」


「BLACK VELVETシークレットミニライブ」
日時: 2009年8月30日(日) 15:05〜16:30
場所: 下北沢GARDEN (東京・世田谷)
出演: BLACK VELVET

SET LIST

Introduction
1.Bring me back hell yeah!
2.bad monkeys summit
MC
3.roar
4.Gimme Gimme Gimme -love and venom-
MC
5.Coma
6.Drum Solo
7.pros Time
MC
8.It's So Easy
9.Drive me crazy
Encore
Talk
10.Bleed
Double Encore
MC
11.Wack head to the blue sky

BAND MEMBERS

Vocal Toshiyuki
Guiter Kazuya
Bass pros
Keyboards ita-shin
Drums かどしゅん
DJ/Guitar tadd
Support Member
Guitar KC

COSTUME

Toshiyukiのみ。(すみません)
胸に赤の丸い模様の黒のTシャツ(「I still...」で革ジャンの下に着てたのだと思う、 DIESELの30周年記念Tシャツみたい)、黒のスリムパンツをブーツにイン。Tシャツが ベルトにかかるくらいで、ベルトの端の銀色の飾りが出ていてキラキラしている。 黒のブーツは、ベルトがひとつあるぐらいでわりとおとなしめ、踵は5cmくらい。
グレーと黒の水玉ともつかないぐにゃっとした模様のスカーフを右腰後ろにぶらさげ、 右腰に黒いウォレットチェーン、 前側にはエンブレムのような丸い形にジャラジャラとついた飾りがぶらさがっている。 シルバーのクロスペンダント、右手首にシルバーのブレスレット、 左中指に黒のリング、左薬指にはシルバーのリング。
両腕のいたるところ、腕とか手首とかに、薔薇の花とかのいろいろなタトゥあり。


MC
基本的に「ライヴ」なので、あまり話さないようにしている感じ。 客を煽ったり、曲紹介したりするのが中心。ところが。
Toshiyuki「今日はトークイベントです。こないだ俺、ネットで見ました。 トークイベントとミニライブ、って書いてありました。」
tadd「俺も2日前に知りました。」
Toshiyuki「うちらは、しゃべりは面白いですけど、音楽でやっていきますんで。」
確かに、告知と招待状には温度差がかなりあるよね、という前評判だったけど。

そんな「トーク」やMC等の中から、順不同で、印象に残ったものをいくつか。

Toshiyuki「BLACK VELVET、どうスか?」
観客「サイコー!!!」
Toshiyuki「(いい声で)本気にしちゃうぞ。(戻って)ってKazuyaも言ってるよ。」
Kazuya「言った。」
Toshiyuki「僕とKazuyaで、30年くらい前からあっためてきたプロジェクトです。 やっと実現しました。」

pros Timeの後。pros Timeでは、prosくんが客席にミニハットを投げ込んだ。
Toshiyuki「返品可だよ。どうしよう、ホントに投げ返されてきたら(笑)。 prosがどうしてもやりたいって。あいつは帽子がなきゃ生きていけない。」
pros「帽子がなきゃ、誰だかわかんないですよね。」
観客からの「帽子取って」の声に、
Toshiyuki「あれ、くっついてるんだよ。皮膚に縫い付けてあるんだ。」

今回は、サポートメンバーがひとり入っている。
Toshiyuki「みなさん数が数えられると思うんで、ひとり多いの気が付きましたよね。 日本の中西部から馬に乗ってやってきました、KC(ケー・シー)です。 タケシなんですけど。KCは横浜BLITZも来るんだよな? 迷子になんなよ。」
KC「tadd兄さんについていきます。」
prosくんがなんとなく不満そう。Toshiyukiが問い質してみると、
pros「3人で演奏してたとき(pros Timeはpros・KC・かどしゅん)より、 生き生きとしてるな、と思って。なに、この縦社会。」
Toshiyuki「世の中縦社会だよ。 みんな、いちばん偉いKazuyaについていくように。」

アンコールでのトークで。
Toshiyuki「今日はいろんなことを試してます。いろんなトラブルにも見舞われてます。 Kazuyaのメイクも、一応試してるんだよね? すごい懐かしい感じ。」
Kazuya「なんか隈みたいになっちゃったけどね。これがLAメタルです。」
確かにすごく懐かしい、目の周りにアイラインバリバリの濃いメイク。 taddくんも「俺もやってます」とアピール。KCくんも、眉毛を塗りつぶしていたり。
Toshiyuki「今回はBLITZに向けての練習だからね。今日だけっていう子、いる?」
客席からは何人か、「はーい」という声が上がる。
Toshiyuki「やっべ。頑張んないと、今から。」
もう本編終わってますがな(笑)。

アンコールでは、「トークイベントだから(笑)」と、みんなに話を振って、 ちょっと長めのトーク。メンバーがこれから、どんなグッズが欲しいか、を訊く。
Kazuya
Kazuya「(頭の上にちょっと手を伸ばして)ウサギみたいなのがいいね。」
Toshiyuki「え。そっち系に行くの?」
Kazuya「俺じゃないよ。グッズだから、みんなが付けるの。」
観客「えー。」
Kazuya「わかった。じゃあ、低反発枕。」
Toshiyuki「ヘドバンやるライヴだから、それはいいね。」
ita-shin
ita-shin「僕も日常生活で使えるものがいい。便座カバーとか。 トイレットペーパーもいい。歌詞が書いてあるの。」
Toshiyuki「自分では、コード進行のほうがいいんでしょ?」
観客からの「もったいない」「使えない」の声に、
Toshiyuki「そういうときは、使う用と、観賞用と、保存用、って買うんだよ。」
かどしゅん
かどしゅん「抱き枕。メンバーそれぞれの。」
pros「売り上げに差が付くから駄目。」
prosくんは、自分のがいちばん売れないと思ってるらしい!?
Toshiyuki「メンバーが誰のを買うかだよね。ある意味気持ち悪いかも。」
え。メンバーが他のメンバーの抱き枕を抱いて寝ること前提なんですか!?
tadd
tadd「ヘルシオ(スチームレンジ)。それか、空気清浄器。」
Toshiyuki「それ、お前が今欲しいものだろ?」
tadd「むちゃくちゃでかいやつで、 (自分の後ろ当たりを指して)ここにアンプみたいに置くの。 すごい音するんだろうな、と思ったら、空気を綺麗にしてる。」
んなもん、買っても持って帰れません。
KC
KC「最近疲れ目なんで、冷たいアイマスク。」
観客の感心するような「ああー」の声に、両手を上に挙げてガッツポーズ。
Toshiyuki「何、勝ち誇ってるんだよ。」
Toshiyuki
Toshiyuki「俺はどうしようかな。みんな何がいい?」
口々に叫ぶ声に、
Toshiyuki「水菜?(リスバンを聞き間違えた) 水菜のシャキシャキサラダか!」
Toshiyuki「リストバンド? 俺、使わないからね。」
Toshiyuki「歯ブラシ? コップ? もういいから、帰り、100均で買え!」
そして、「上から目線ですみません」と謝るロックバンドのヴォーカル。何故(笑)。
pros
そしてprosくんに訊かないまま、次の話題へ。戻ってくるかと思ったら戻らず、 次の曲に突入。ダブルアンコールのMCで、「prosはグッズは?」と振られる。
pros「ひどいよ、誰も気付かない。prosは?、とか、誰も言ってくれないし。」
気を取り直して。
pros「ブラベルを3人増やして、野球チーム作って、ユニフォーム作る。」
tadd「お前、ファーストね。」
pros「あ、俺も入れてくれるんだ。」
9人しかいなかったら、どこか守らないと野球になりませんが。
tadd「俺、ライトでいいや。」
pros「(反応の薄い観客を見て)全然興味なさそうだね。」
tadd「……わかんないか。ライトはいちばん球が来ないんだよ。」
やっぱり反応のない観客に、あ、やっちゃった、という顔のtaddくん。 みんなそんな余裕ないんです、たぶん。
pros「もしくは、ひとり減らして、バスケットボール。で、ユニフォームを。」
Toshiyuki「それ、バンドやってる人間からすると、駄目なパターンだよね。 音楽やらなくなっちゃうパターンだよ、完全に。」
しかし、せっかくこれだけみんなしゃべれる楽しいバンドなのに、 たぶんこれからは「トークコーナー」はない(笑)。もったいない、のか?

今回、パンフレットにはそれぞれが自分で作った個人コーナーがある。
Kazuya「Toshiyukiは、LA行ったときの、ガンズの聖地で歌った写真とか。」
Toshiyuki「みんな人となりが出てます。みんなすごい。ita-shinもすごい。」
ita-shin「金と時間かかってますよ。自腹でロケとか行っちゃって。」
ピックストラップの話から、色違いのオリジナルピックを飛ばしてみる練習も。
Toshiyuki「銀なら5枚、金なら1枚。これは金です。」

IMPRESSIONS

下北沢GARDENは、500人収容の、ライヴハウスとしては大きめなハコ。 ステージも広いほうなんだと思うが、それでも機材の多いブラベルにはキツキツ。 ドラムもキーボードも、かなり窮屈なスペースに詰め込んでいた。
地下のため、天井が低く、ドラムセット等も高く作れないので、 かどしゅんはずっと低い位置。 たぶん、かなり前にいないと、彼の姿自体が見えなかったのではないか。

最初から、本番へのリハーサルもしくはゲネプロ(にしては短いけど)、であることは、 観客側もわかっていた。 見舞われた「いろんなトラブル」は、機材的なことは言われないとわからないけれど、 「試していること」はいろいろ見てとれたし、 まだいろいろ完成していなくて手探りなのかな、と思えるところもあった。 でもそんなことは、ライヴの楽しさには何の関係もない。 むしろ、普通のライヴでは観られない実験やトラブルは大歓迎、 いくらでも付き合っちゃう、という観客ばかりだったに違いない。
そして極めつけは、アンコールでの「Bleed」。イントロが流れ、 Toshiyukiが歌い始めたのに、演奏の音がなんか濁っているな、と思ったら、 1小節ぐらい遅れて、もうひとりのToshiyukiが歌っている(笑)。一生懸命歌いながらも、 戸惑ったように、「どうしよう」とばかりに目を泳がせるToshiyuki。 手で押さえるようなしぐさをしているが、歌い続けてはいるので、 このまま強行するのかと思ったのだが、その窮状(笑)を見かねたかのように、 Kazuyaが、「もっかいやろう」。これには観客も大喜び(笑)。 たぶん、本来なら聞こえてはいけない音が聞こえてしまったんだろう。 クチパク失敗したのかと思っちゃったよ(爆)。
Kazuya「練習ですからね。いい曲だから、もう1回やるよ。」
Toshiyuki「びっくりしたよ、本当に。俺、最後までこのまま歌ったらすごいな、 天才だな、って思ったけど、でも無理だな、と思った。」
そしてKazuyaの「大好きな人に捧げます」の言葉で、あらためて仕切り直し。

ステージ上のポジションは下手から、pros、tadd、かどしゅん、Toshiyuki、ita-shin、 Kazuya、KC。かどしゅんとita-shinの大荷物組はステージ奥。
ハコ自体は、ステージの横幅が広く、観客スペースの奥行きがとても短い。 ステージも低くて、観客ととても近い。そんなこともあってか、 ステージ前の観客席はかなりの興奮状態。 彼らが「予行演習」「練習」と言い切ったように、様子を見るためか、 アップテンポの曲ばかり連続でぶつけてきたので、気を抜いている暇はない。 慣れない人には、かなりたいへんだったと思う。
天井が低くて熱が籠もりやすいこともあったんだろうと思うが、空調もあまりきかず、 2曲目が終わったあたりには、Toshiyukiも観客も汗だく。 それでガンガンに頭を振るので、汗が飛び散っている。まさに、「熱い」ライヴ。
taddが縦横無尽に走り回る。ステージ横のスピーカー台に飛び乗って、 横のバルコニーの客を煽ったり、ステージの反対側までギターを抱えて行ったり。 prosも前に出てきて煽り、客の反応がよくないと満足した顔をしない。
taddとprosは、本当にこういうライヴがよく似合う。水を得た魚のようで、 下手側は派手やかでキラキラしている感じ。 上手側のKazuyaは、ゆったりとニコニコしながら観客を見回して、 おだやかなのに、音も演奏もハード。KCはまだおとなしい。

まだちょっとToshiyukiの声は出てないよな、と思えるところも多々あったが、 こういうライヴは、その場のノリと勢いも大切。綺麗に歌うことよりも、 観客をライヴに埋没させるほうが重要なこともある。特にまだ公開リハなんだから、 完成度よりも、そういう感覚をしっかりつかんで(彼らも、観客たちも)、 大きなハコにつなげられたら、このライヴの意義は200%達成できた、 といえるんだろう。
予定では1時間半。トークと半々か?、ステージ上に椅子が並んでいたらどうしよう、 などという懸念はどこへやら、本番セットリストの約6割、ノリのいい曲を網羅した、 ハーフサイズのライヴだった。「Vermilion pavilion」が本番までお預けになったのが、 ちょっと残念なような、楽しみを持ち越しにできてうれしいような。


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