森川智之プライベート・コレクション

洋画お勧め台詞

担当:厨川

(2004/9/12現在)

洋画のレビューを主に担当してくれている、 厨川によるお勧め台詞集。 これからも順次追加していく予定です。

このページ以下の内容は、レイアウトを除いては、 (明記していない限り)厨川の責任編集です(笑)。 内容に関する感想・意見・苦情などは、厨川に転送します。


台詞「待ってるぞ、エレン。」
役名ドウェイン・ヒックス伍長
役者マイケル・ビーン
作品エイリアン2完全版
場面 ラスト近く、少女を救出するためエイリアンの巣窟に乗り込むリプリーと、 負傷しリプリーを見送るしかないヒックスが、ファーストネームを名乗り合い、 別れるシーンから。
リプリー「じゃあね、ヒックス。」
ヒックス「ドウェインだ。(小さく笑い)ドウェイン。」
と続き、それに応えて名乗ったリプリーの「エレン」を受けて返す台詞。
解説 互いに意識し惹かれ合っているふたりが、愛の言葉でも抱擁でもなく、 ファーストネームを教え合うという行為で想いを交わす、 絡み合う視線と間、短い言葉だけの印象的なラブシーン。 ヒックス最後の台詞でもあり、確信犯的セクシーさで、 最強の女リプリーを攻めている。「待っているぞ」とクールに決め、 吐息のような響きの「エレン」で止めを刺した、必殺の決め台詞。

台詞「来いよ、やってみろよ。ホゥ、ホー! イヤー! ハッ!」(馬を御すときの掛け声なので上手く表記できない)
役名羅小虎
役者チャン・チェン
作品グリーン・デスティニー
場面 ローを追ってきた貴族の娘イェンに、人馬一体の妙技を見せつけ、からかう、 砂漠のシーンから。
解説 ホレボレする掛け声で馬を叱咤していて、音声だけでも軽快な騎乗ぶりが想像できる。 掛け声の張りと緩急、疾走感、どれもパーフェクト。男らしく張った声でも重くならず、 上空へ駆け上がるような、爽快な「馬上の掛け声」になっている。 オリジナル音声以上に、雄大な風景の広がりを体感できる声演だ。

台詞「無駄だ。」
役名ネオ
役者キアヌ・リーブス
作品マトリックス
場面 ネオがエージェント・スミスとの戦いの中、 マトリックス(仮想世界)のシステムを理解し、己を悟った後、 攻撃を仕掛けようと動いたエージェント・スミスを制し、放った言葉。
解説 言ってみれば「悟り」を開いた後の一言。 感情を排した短い台詞の中に、「救世主」としてのカリスマ性も感じる。 声質そのものに深いニュアンスがある、森川智之の強みだと思う。 特に美声だとは思わないが、バランスがとてもいい。 細くなく太くなく、高過ぎず低過ぎない、絶妙のバランス。 他者を拒絶しない余白のある空気感、というのだろうか、独特の深さと広がりがある。 まさに「救世主ネオ」に相応しい声。天下無敵の二枚目声じゃないかな(笑)。

台詞「…もう一回言え。」
役名グリフィン
役者キアヌ・リーブス
作品ザ・ウォッチャー
場面 グリフィンが、不利な状況のFBI捜査官ジョエルに、 自分の前に跪き「ありがとう」と言うよう命じるシーンから。
(ネタバレになるので、詳しく場面を説明できない。本編でチェックを。)
解説 苦々しく呟くように「ありがとう」と言ったジョエルに、再度言うように促す、 ジョエルに対する異常な執着の果てにその思いを表に出す、ある意味セクシーな一言。 オリジナルと微妙に違うトーンに聞こえ、面白いと思った。 「甘い願望」のキアヌ、「切実な渇き」の森川智之。そんなふうに聞こえる(笑)。
この作品の演技自体はそんなにお勧めでもないけれど、 吹き替えの面白さ、新たな楽しみ方を発見した台詞なのでお勧めしてみた。 役柄を挟んだふたりの役者のバトル、ずれたり重なったり、 三位一体の瞬間があったり、とても興味深い。

台詞「僕は涙を拭いたりしない。恥じることない。(涙は)頬を飾る塩辛い真珠だ。」
役名繊細な少年エリオット
役者ブレンダン・フレイザー
作品悪いことしましョ!
場面 海辺で夕陽を見て泣いてしまい、 恋人のアリソンに「ティッシュは?」と訊かれて答えるシーンから。
解説 特にこの台詞ということではなく、エリオット少年の台詞全てをお勧めしたい。 世界一繊細な少年なので、次から次へ、くるくると目まぐるしく気分が変わり、 恋人の為に詩を朗読したかと思えば、突然、イルカを心配して歌い出し、 またまた夕陽を見ては涙ぐむ(笑)。 そんなコミカルな演技がノンストップで続き、とにかく楽しい。

台詞「もう終わりだ、道に、迷ったあぁ〜。あ〜僕らマジに超ヤバイよ。どおぉ〜しよう〜〜。」
役名ヴィック
役者親指(笑)
作品親指ブレアサム
場面 ストレッシー、ジッシュ、ヴィックの3人が森の中で道に迷い、頼みの地図も紛失。 臆病なヴィックがパニックになり、早口で叫び出すシーンから。
解説 一度聴いたら忘れられないお茶目な台詞回しで、 長く伸ばした語尾(〜)が、歌っているかのようなイントネーション。 自然に滲み出るとぼけた無邪気さも、森川智之らしい。 ヴィックの表情にもよく合っていて、日本語を喋っているとしか思えない、 絶妙な吹き替えになっている。

台詞「体中のあらゆる細胞が、他者との触れ合いを求めている。」
役名小説家エリオット
役者ブレンダン・フレイザー
作品悪いことしましョ!
場面 知的で雄弁、ハンサムな小説家エリオットが、 パーティーで一目惚れした女性アリソンを口説くシーンから。
解説 「体中の」から始まり、小さな無数の触覚小体、快感をもたらす物質云々と、 カルトな単語を駆使した口説き文句が続く。森川智之の得意分野だけに余裕の演技。 セクシーな二枚目悩殺声と絶妙の間で、耳元でささやくように愛(?)を語ってくれる。
少々、マニアックな口説き文句ではあるけれど、森川智之の美声と、 二枚目全開の演技が堪能できる。 これほど、怖れを知らない二枚目演技も珍しいのでは…素晴らしい。(笑)

TOPPAGEトップページに戻る
Copyright(C)1998-2014