森川智之プライベート・コレクション

森川智之「歌」(1994年)レヴュー

(2002/2/24現在)

1994年

YOUNG SOUL REBEL [99.09.19掲載]

作詞日々安里
作曲米光亮
編曲米光亮
共演置鮎龍太郎 (デュエット)
曲調ミディアムテンポ、コミカル、中音域、ラップ
収録 1994/4/21 ぼくの地球を守って イメージ・サウンドトラックVol.2
1994/11/23 '94声優SONGフェスティバル
1995/7/12 声優グラフィティ
1995/11/16 声優グラフィティ 男性編
2007/8/8 森川智之ディナーショー 冬の陽の暖かさに包まれて in 赤坂プリンスホテル (ライヴ・バージョン、メドレー) (DVD)
備考「ぼくの地球を守って」の小椋迅八としての曲。

「ぼくの地球を守って」は、いわゆる「輪廻もの」で、 優等生の玉蘭と、一途に彼を愛する槐(エンジュ)が、現世では小椋迅八と、 置鮎龍太郎演じる錦織一成に生まれ変わる、わけです。槐自身が、一方的な愛に疲れ、 「生まれ変わったらいつまでも友人で近くにいられるように」と、 男になることを望んだから、なので、前世の記憶をもつ一成クンは、 自分の気持ちに悩んちゃったりするんですねー。
そんな背景があるので、全体的にラップのノリで作られた曲ですが、 サビの部分は、明らかに聞き間違いを意図した歌詞になっています。 歌詞自体は、あまり聞き取りやすい曲調ではないのですが、きちんと聴いて、 彼ら(小椋迅八と錦織一成)のキャラクター、というか生い立ちとかも知っていると、 けっこう、ドキドキワクワクものかもしれません(笑)。
全体として「面白い」というのが、この曲の魅力を端的に表せるのではないか、と。 「歌唱力」とか「声の伸び」とか、そういうものを期待して聴くと、 ちょっと肩すかし、と思うかもしれませんので、ご注意。
ちなみに、「rebel」というのは、「反逆者」とかいう意味があるんだけど。 このタイトルには、どんな意味があるんだろう?


100億のメビウス [00.09.03掲載]

作詞北川みゆき
作曲清岡千穂
編曲山本健司
曲調アップテンポ、シリアス、中音域、アイドルポップス
収録 1994/4/26 亜未!ノンストップ
備考「亜未!ノンストップ」の美堂望としての曲。

作詞した原作者が、「元気が出るような曲にした」と言っているだけあって、 元気パワーをいっぱいもらえそうな、とても前向きで明るい曲。 どんなにつらいことがあっても、それに立ち向かっていくさ、 というのがコンセプトらしい。 曲調も歌詞も、アイドルバンドらしく、カッコよくて見せ場があって、 聴いていると楽しくなって来る感じです。
でも、よく聴くと、森川さんは、とてもやさしく歌っています。 サビは元気いっぱいだけれど、メロディ部分では、ほんとうにそっとやわらかく。 さりげなく恋愛テイストが織り込んであるような歌詞もあるので、 それと併せて聴くと、単に明るく元気、だけではなくて、胸がキュンとするような、 忘れかけた(?)青春時代を思い出せるかも。(笑)
ただ残念なのは、歌い上げるところ、声を張るところはあるのだけれど、 あまり高音ではないこと。やわらかくやさしい歌声は聴けるけれど、 突き抜けるようなハイトーンは、本当に残念ながら聴けません。 まあ、応援歌みたいな歌なので、あまり色っぽくハイトーンを響かされても困る、 といえば困るんですけどね。


空気の存在 [00.09.10掲載]

作詞北川みゆき
作曲永井誠
編曲永井誠
共演井上和彦 (Vocal)
曲調アップテンポ、シリアス、中音域、ポップス
収録 1994/4/26 亜未!ノンストップ
備考「亜未!ノンストップ」の美堂望としての曲。

美堂望の相棒、「ダーウィン」の片割れ、御形克己のヴォーカル曲。 美堂望はそれにコーラス、という形で参加しています。
なんというか、バンドの、アルバムに入っている、 ヴォーカル以外のパートの人が歌った1曲、という感じの曲。 サビもあまり張る感じではなく、全体的に軽い感じのメロディラインで、 ちょっと大人っぽい雰囲気の恋愛を歌っています。
森川さんのコーラスは、ユニゾンで歌うところが多いので、 取り出して聴くことはあまりできないのですが、 井上和彦の甘くやわらかい歌声に、出過ぎずにうまく合わせています。 とてもかわいらしい声です。和彦さんの声がちょっと鼻にかかって色っぽいぶん、 ほとんど色気を感じさせない、透明感のあるコーラスで、 全体をさわやかな感じにしています。
森川さんの歌声はあまり堪能することはできないけれど、肩肘張らずに聴けて、 楽しくて、それでもどこかしっとりした雰囲気のある、素敵な曲です。


1993年のジュリエット [00.08.06掲載]

作詞北川みゆき
作曲高野ふじお
編曲永井誠
共演山岡厚子 (Vocal)
曲調ミディアムテンポ、シリアス、ハイトーン、アイドル歌謡曲
収録 1994/4/26 亜未!ノンストップ
1994/?/? 亜未!ノンストップ (カラオケ) (CDSingle)
備考「亜未!ノンストップ」の美堂望としての曲。

森川さんのクレジットは「コーラス」で、確かに山岡厚子の歌うヴォーカルに、 サビの部分だけコーラスを重ねているだけなのだけど、これがどうして、 一聴の価値はあります。
曲自体は、昔の松田聖子あたりが歌いそうな、 ちょっと人気を固めて歌唱力に自信のあるアイドルが歌いたがる感じの、まさに歌謡曲。 筒美京平、とか、呉田軽穂、とか言われたら、納得するかもしれない。(本当かよ)
森川さんのコーラスは、かなりのハイトーン。裏声と言ってもいいような声です。 ヴォーカルの山岡厚子も、澄んだ高音なので、彼女が高音で歌っているサビに、 さらにその上に重ねているコーラスは、本当に綺麗な響きです。
途中で、コーラスというよりバッキングヴォーカル、という感じで、 「優しい嘘」と歌うところがあるのですが、これがとても色っぽくて、せつなくて、 しっとりしていて、なんか、男の人の歌声を聴いている気がしない。 ま、当たり前かな。女の子の失恋の歌なんだから。


EDEN [00.08.27掲載]

作詞北川みゆき
作曲新井理生
編曲新井理生
曲調アップテンポ、シリアス、中音域、ロックっぽい
収録 1994/4/26 亜未!ノンストップ
備考「亜未!ノンストップ」の美堂望としての曲。

原作者がコメントで、「ダーウィン(美堂望の所属するバンド)ってこんな歌、 うたうやつらなのよー」と言っているけれど、ダーウィンって、 やっぱりAXSだったのかなあ。と言いたくなるような音作りの曲(笑)。 ま、音はそうだけど、彼らは、こういう観念的な詞は歌わなかったけどね。 あ。原作者は「モデルはない」と明言してます。
ロックっぽい作りにはなっているけれど、なんといってもアイドルの曲なので、 ギンギンではありません。かなりポップな曲で、かなり聴きやすい。 ノリのいい曲です。
全体的に音域があまり高くないので、 森川さんの綺麗な高音の伸びが聴けないのがとても残念です。 ちょっとシブめに、というか、男っぽく作った感じの声ですが、 でもさすがに「アイドル」美堂望なので、基本的には、 かなりかわいらしく歌っています。けっこう色っぽい感じもあります。
たぶん、とっつきよりも、何回も聴いていると聴きやすくなる曲だと思います。


Destiny [00.08.13掲載]

作詞北川みゆき
作曲山本健司
編曲山本健司
共演山岡厚子 (デュエット)
曲調スローテンポ、シリアス、ハイトーン、バラッド
収録 1994/4/26 亜未!ノンストップ
1994/4/26 亜未!ノンストップ (オルゴールヴァージョン)
備考「亜未!ノンストップ」の美堂望としての曲。

陵亜未パートを歌う山岡厚子との「デュエット」のはずだけれど、 ほとんど山岡厚子が歌っている気がする。森川さんのパートは、コーラスを少しと、 ソロパートが少し。もしかすると、 「コーラス」の「1993年のジュリエット」のほうが、 たくさん歌ってるかもしれない。
やっぱり松田聖子が歌いそうなラブバラッド。 ちょっとお洒落な女性ヴォーカル、という感じの曲です。 ラブラブなふたりが、お互いを見つめ合いながら歌うデュエット。 原作者(作詞担当)は、「片想いの人にも」って言ってるけど、やっぱりラブラブ〜(笑)。 片想いなら、成就寸前の片想いに違いない。
ほんのちょっとしかないけれど、森川さんの歌声は、 恋人とふたりでいっぱいの幸せをかみしめながら歌い上げるバラッドだから、 というのもあるんだろうけど、凶悪なまでにやわらかくてやさしくて、 相変わらず綺麗な歌声。
同じCDには、オルゴールヴァージョンも収録されていて、 こちらもキラキラした綺麗な音色がかわいらしくて素敵。


SAND STORM [99.04.18掲載]

作詞伊嶋薫
作曲山浦克己
編曲西岡治彦
曲調アップテンポ、シリアス、ハイトーン、ロック調
収録 1994/6/22 宇宙の騎士テッカマンブレードII NEXT GENERATION[2] (D.Boy Version)
1992/10/7 宇宙の騎士テッカマンブレード Space Knights [歌:山浦克己]
備考「宇宙の騎士テッカマンブレード」のD.Boyとしての曲。曲が発表されたのは「I」のときだが、「D.Boy Version」は「II」のとき。

鈴が最高に好きな曲。たぶん、歌声としては、いちばん好きだと思う。
もともとは作曲者の山浦克己の歌で収録されていた曲だけど、 それを「D.Boy Version」ということで、カバーした形になっています。 曲調はまったく同じ。もしかして、同じカラオケ?
この曲の聴きどころは、なんといっても伸びる高音。 高音には定評のある森川さんの歌声だけど、あれだけの高音を張り上げて、 キンキンしないのはさすが。いわゆる「ハイトーンボイス」の人は別として、 普通、低い声でも歌える人の高音って、金属音的な響きが出てしまうものだけど。 「声色」を操れる強みかな。
曲調もなかなかグッド。「歌詞にこめられた想い」という点では、 こういうキャラクターソング、というか、主題歌系の歌は分が悪いけれど、聴いていて、 適当にハードで適当にポップで適当に聴きやすくて、絶対にお勧めの1曲。


邪魔な奴 [99.09.26掲載]

作詞木本慶子
作曲中村裕介
編曲丸尾めぐみ・飯塚正明
共演かないみか (デュエット)
曲調アップテンポ、コミカル、ハイトーン、ロック調のポップス
収録 1994/6/22 爆炎CAMPUSガードレス 徹底攻略公式ガイドCD(2)
1994/12/16 爆炎CAMPUSガードレス 爆炎音楽大行進
1995/11/16 声優グラフィティ 男性編
備考「爆炎CAMPUSガードレス」の山城数馬としての曲。

山城数馬は、主人公の女の子を好きで、主人公の男の子から奪おうとしている、 らしい(すまん、アニメ観ていないのだ)。 一緒に歌っているかないみかの役は、こっちは主人公の男の子のことが好きで、 「ふたりで手を組んであのふたりを別れさせ、 それぞれお目当ての相手を自分のものにしよう」という共同戦線を張っている、 ようである。
というのは、歌詞から容易にわかります。
森川さんが女性とデュエットしている曲でお勧めを選ぶとしたら、 絶対にはずしたくない曲。 「ギルティー」も絶対にお勧めだけど、 甲乙付けがたいなあ。パンチのあるロック・ヴォーカルの松本梨香に比べて、 かないみかのほうは、どっちかというとやはりアニメっぽい可愛らしい声。 それが、曲調の違いに出ているのかもしれません。
セクシーさはないけれど、元気いっぱいでとっても気持ちのいい歌い方です。 かないみかも、嫌味がなくて、やっぱり元気いっぱいでとってもナイスです。 声の高い彼女に合わせているからか、森川さんの高音が一段と輝いて聞こえます。 曲もとっても楽しくて、自然に元気が出て来ます。
ちょっとおちゃらけた歌詞だけど、そこここに見え隠れする、 「自信たっぷりなナイスガイ」な森川さんの魅力を堪能できること請け合い。


Forever Love [02.02.24掲載]

作詞朝倉京子
作曲武井浩之
編曲武井浩之
共演天野由梨 (デュエット)
曲調スローテンポ、シリアス、中音域、バラッド
収録 1994/8/26 他人の関係 前編 先生、私をぶった代償は高くつくわよ (VIDEO)
1994/10/21 他人の関係 後編 とっぴな性格は生まれつき (VIDEO)
備考「他人の関係」の江原時郎としての曲。

かなりいろいろな意味での、驚きに満ちた曲だった、と言える。(笑)
まず、ビデオを手に入れたときの、パッケージ。しばし固まってしまった。 通販したのだが、店頭では購入する勇気はなかなか出なかったかもしれない。 原作は青年向け(?)コミックのようで、一瞬、アダルトアニメ?、とか思ってしまった。 パッケージが扇情的なほどには、過激な内容ではなかったけれど。
そして、役柄とあまりに違う、シリアスで落ち着いた歌声。 役では、高めの、ひっくり返ったようなオタオタ声ばっかりなのだが、 どうしてどうして。この曲だけを聴くと、そんなキャラクターは想像すらできない。
さらに、もっとも驚いたのは、というか面白かったのは。 本編は前後編なのだが、それぞれのエンディングテーマとしてこの曲が使われている。 オープニングには歌はないので、これがテーマソングのようだ。 いわゆるビデオサイズ、というのか、ワンコーラスのみで、 サントラなどのCD化はなされていないようだし、もったいないな、と思っていたら。 なんと、前編と後編では、歌詞が違うのである。つまり、ツーコーラスある曲を、 半分ずつそれぞれに収録した、という形。両方を聴いて初めて1曲になる。
本編のギャグテイストを微塵も感じさせないような、純粋なラブソングで、 アレンジもキラキラと光るような、ある意味少女趣味、というか。 かわいい主人公とやさしい王子様がデュエットしている、というイメージ。 歌詞は、前編は出会ってからお互いを認め合うまで、後編は愛を確かめ合ったふたり、 という感じの、作品に沿ったもの。 メロディラインも、聴いていて気持ちのいい、広がりのある感じ。
森川さんの声は、全体的に、やわらかに包み込むような、やさしいトーン。 前編は少しりりしく、後編はちょっと甘えたような、でもどちらもかなり甘い。 天野由梨とのコーラスも、とても綺麗なハーモニー。
入手は簡単ではないかもしれないが、是非聴いてみて損はない曲だと思う。


Introduction [00.11.26掲載]

作曲230
編曲230
曲調アップテンポ、インストルメンタル
収録 1994/11/2 HEAVEN'S DOOR (instrumental)

どんなにレヴューをかくのがつらくても、 安易にこの曲にだけは流れないようにしようと思っていた(笑)。 だって、一応「森川智之の」アルバムである「HEAVEN'S DOOR」に収録されているから、 このレビューに加えているが、インストルメンタルで、 クレジットにも森川さんの名前が入っていない曲だもの。 「看板に偽りあり」みたいな曲は他にもあったけれど、これは偽ってすらいない。
これを書いている、ということは、とうとうレヴューを書く曲のストックがなくなった、 つまり、知らない曲を発掘して来るか、新曲がリリースされるまで、 レヴューはお休み、ということ。
現在、この曲が80曲目。81曲目のレビューを書けるときまで、See you…。


TAKIN' [99.10.24掲載]

作詞森川智之
作曲230
編曲230
曲調アップテンポ、シリアス、シャウト系、ハードロック
収録 1994/11/2 HEAVEN'S DOOR
1995/?/? Adam (MUSIC CLIP) (VIDEO)
2003/5/28 JOLLY ROGER LIVE 2003 in CLUB CITTA' (Live Version) (DVD)
2007/8/8 森川智之ディナーショー 冬の陽の暖かさに包まれて in 赤坂プリンスホテル (ライヴ・バージョン、メドレー) (DVD)

すっごいパワフル。森川さん自身も、「セーブしないと次の日に響く、と思いながら、 ライヴでステージに立つとついつい張り上げてしまう」と言っていたけれど、 この曲をめいっぱい歌ったら、本当に次の日、声のお仕事をするのはキツそう。
「Adam」収録のMUSIC CLIPは、音は「HEAVEN'S DOOR」と同じものを使っていますが、 昔のライヴ映像で作ってあって、そのパワフルさが直に伝わって来る感じです。 うううーーー、ナマで見たいなあ、ライヴ。(爆)
オリジナルアルバム「HEAVEN'S DOOR」では、 インストゥルメンタルのオープニング曲の後、この曲が始まります。 ギターのイントロから、いきなりパワフルなヴォーカルが襲って来て、 「すごい、ロックなアルバムだ」という印象を、この時点で持ちます。 「つかみはオッケー」な感じ、ですね。 ハードロックやらへヴィメタやらの好きな人には、わかりやすいし、 インパクト強いし、とっつきやすい曲だと思います。
とにかく、「パワフルさ」がいちばんに来る曲。ヘナヘナで聴いていると、 吹き飛ばされますので、しっかり構えて受け止めて、パワーを蓄えましょう。(笑)


SPIRIT [00.05.21掲載]

作詞小林ひろかず
作曲230
編曲230
曲調アップテンポ、シリアス、中音域高め、ロック
収録 1994/11/2 HEAVEN'S DOOR
2003/5/28 JOLLY ROGER LIVE 2003 in CLUB CITTA' (Live Version) (DVD)

本当はバラッドを、と思ったんだけど、 今はちょっとバラッドを聴ける精神状態じゃないので、ごめんなさい。
ビートのはっきりした音で、シャウト系でもなく、シブくもなく、 ある意味淡々と歌う曲ですが、退屈とかいうわけでは決してありません。 ドライヴ感、という言い方をしますが、ハイウエイを飛ばすような感覚ではなく、 心地よい揺れに身をまかせている感じ。本当に気持ちのいいノリの曲。 「HEAVEN'S DOOR」収録の曲ですから、ドラムスやベースのリズムのはっきりした、 ギターが幅をきかすアレンジで、ロック好きには聴きやすい曲です。
歌詞は、いわゆる「ロックスター」の立場で書かれています。 ライヴの興奮、ファンの崇拝、成功するまでの道のり、忘れない熱い想い。 「夢」を追う人間の生き方を歌った歌なのですが、よく聴いていると、 ラヴソングと思ってもいいような部分もあるし(別の解釈もできるけど)、 充分に楽しめます。
声を張り上げるところがないので、ハイトーンはほとんど聴けませんが、 全体的にちょっと高めの真ん中へんの声で気持ちよさそうに歌っていて、 それも「心地よいノリ」を感じさせてくれる要因のひとつかと。


Rock to the Top [00.06.04掲載]

作詞佐々木文彦
作曲佐々木文彦
編曲佐々木文彦
曲調アップテンポ、シリアス、高音域、ちょっとダミ声、ハードロック
収録 1994/11/2 HEAVEN'S DOOR
2003/5/28 JOLLY ROGER LIVE 2003 in CLUB CITTA' (Live Version) (DVD)

リードギターがいいなあ。全盛期のパープルを思わせる重たいながらも派手な音もいい。 かなりギンギンのハードロック、と言えるでしょう。
ハードロックにお約束の高音のシャウトも健在。 澄んでいるとは言い難い、けどパワフルな、ツブしたような声のヴォーカルも、 派手なアレンジのバックとよくマッチしている。 森川さんって、本当にツブさなくてもこういう声が出るところがすごい、と思う。 本当にツブしてたら、高音のほうの声がこんなに綺麗に通るわけないもの。
ギター、キーボード、ベース、ドラムス、どれも、 本当に派手派手でギンギンな全盛期のハードロックの音で、そういう意味では、 ロックといってもシブめの音の曲が多いこのアルバムの中では異色だな、と思ったら、 どうもこの曲だけがアレンジも違う人だし、演奏しているユニットも、 他の曲とは違うみたい。 なるほど、アレンジャー(ギタリストでもある)の好みなのね。
パープルやツェッペリンが未だに大好きな鈴としては、 この人が全面的にプロデュースした森川さんのアルバムを是非とも聴いてみたい、 とも思う。そして是非とも日本武道館で「MADE IN JAPAN」…(←馬鹿)


In the SKY [99.08.29掲載]

作詞佐々木文彦
作曲佐々木文彦
編曲230
曲調スローテンポ、バラッド、中音域から高音域
収録 1994/11/2 HEAVEN'S DOOR
1995/12/1 アニメニューDJスペシャル 森川智之Vol.1 (Live Version)
1997/3/1 GARDEN OF EDEN
2003/5/28 JOLLY ROGER LIVE 2003 in CLUB CITTA' (Live Version) (DVD)
2007/8/8 森川智之ディナーショー 冬の陽の暖かさに包まれて in 赤坂プリンスホテル (ライヴ・バージョン) (DVD)
2012/7/25 森川智之ディナーショー 冬の陽の暖かさに包まれて2012 in グランドプリンスホテル新高輪 飛天の間 (ライヴ・バージョン) (DVD)

森川さん自身が、 「ファーストアルバムの中でいちばん好き」と公言してはばからない曲。 当然のように、ベストアルバム「GARDEN OF EDEN」にも収録されているし、 ライヴで歌うことも多い。というか、「おまえらのためだろ」などで持ち歌を1曲、 というときには、ほとんどこれを歌うんじゃないかなあ。
「アニメニューDJスペシャル」に収録されているライヴ・バージョンは、 ギター1本でしっとりと歌い上げています。 控えめなギターの音と、歌い上げる森川さんの声量が、静かながらも、 内から突き動かすようなパワーを感じさせます。 もともとのアレンジも、あまりガチャガチャしたものではないけれど、 もしかするとこの曲の魅力をいちばん引き出しているのは、 このライヴ・バージョンかもしれない。
歌詞もよく聴くと、明日へのパワーがわいて来るような気がします。 どんなにつらいことがあってもくじけちゃいけないんだ、ということはわかるけれど、 でもやっぱりつらいときはつらいんだよね、というところまでわかってくれている。 「傷ついた翼さえひきずって立ち上がる」、 そんな強さが知らないうちに自分の中に生まれていることに気がつくかも。
静かな気持ちで、じっくりと聴きたいときには、この曲を入れておくと、 心の底にずっしりと森川さんが堆積していく気分が味わえそう。


Out of this World [00.06.11掲載]

作詞佐々木文彦
作曲森川智之
編曲230
曲調アップテンポ、シリアス、低音域から中音域、ロック
収録 1994/11/2 HEAVEN'S DOOR

サビを聴くと、ああ、森川さんが作った曲だな、って思います。 マニア受け(もちろんアニメではなくロックね)のしそうな「HEAVEN'S DOOR」に、 違和感なくしっくり馴染んでしまう、かなりシブめの曲なのに、 音が明るく広がった、覚えやすいメロディライン。 あまり高音ではないので、抜けるような澄んだ声ではないのだけれど、 いかにも屈託なく、こもらないで広がっていく感じの声。
こういう、上に突き抜けるような感じだけでなく(いわゆるハイトーンには、 まっすぐに上に「だけ」抜けるような感じの声も多い)、 広がっていく感じの声のトーンも、森川さんの声の魅力のひとつだと思います。 確かに、「屈折」を売りにするロックには、明るくて真っ直ぐすぎる嫌いはあるけれど。 でも、前向きでパワフルだし、何よりもよく通るし。
この曲も、ウジウジと悩んでいるときに、特効薬になること請け合い。 元気をたくさんもらえる曲です。


RUN [00.06.18掲載]

作詞森川智之
作曲230
編曲230
曲調アップテンポ、シリアス、中音域から高音域、ロック
収録 1994/11/2 HEAVEN'S DOOR
1995/?/? Adam (MUSIC CLIP) (VIDEO)

「Adam」の選曲をみると、やっぱりうまく選んであるなあ、なんてことを思ったり。 いろんな森川さんの魅力をアピールしながら、わかりやすい曲ばかり選んでいる。 「TAKIN'」は森川さんの声量とパワフルなシャウトに圧倒され、 「Last Telephone call/Dear…」はポップで聴きやすいだけでなく、 甘く切ないラヴソングで女心をくすぐるのを忘れない。 そして、この曲は、とても平均的でわかりやすいロック。 ポップスばかり聴き慣れた耳には、ハードに聞こえるかもしれないけれど、 かなりポップだよ(笑)。
「HEAVEN'S DOOR」収録の曲は、全体的に若さというか、 夢、現実、悩み、挫折、そして希望、といった、 「自分」をかかえて社会に飛び出して行くときのさまざまな感情を感じさせる曲が多いが、 この曲は特に若い印象を受ける。恋愛感情(たぶん)をからめてあるからかなあ。 ドライブ感のある音やうねるようなメロディラインと相俟って、聴いているほうも、 ともすると忘れがちな(鈴だけか^^;)少年少女の頃の情熱を思い出すかもしれない。
久しぶりに「Adam」を観てみたのだが、若くてソリッドな森川さんがキュート。


Naughty Boy [00.01.23掲載]

作詞森川智之
作曲230
編曲230
曲調ミディアムテンポ、シリアス、高めのシャウト系、へヴィメタル(?)
収録 1994/11/2 HEAVEN'S DOOR
1997/3/1 GARDEN OF EDEN
2003/5/28 JOLLY ROGER LIVE 2003 in CLUB CITTA' (Live Version) (DVD)
2007/8/8 森川智之ディナーショー 冬の陽の暖かさに包まれて in 赤坂プリンスホテル (ライヴ・バージョン、メドレー) (DVD)

「GARDEN OF EDEN」で最初にこの曲を聴いた人は、他の曲とちょっと感じが違うな、 と思った人も少なくないのではないかと思います。 ロックを聴き慣れていないと、アルバム全体は好きでも、この曲はちょっと、 と感じる人がいても、不思議ではないかも。 「HEAVEN'S DOOR」の中の曲として聴くと、ものすごく全体にしっくり馴染んで、 佳曲だということがわかるのだけれど。
鈴は「ハードロック」は好きだけれど「メタル」はあまり聴いていなかったので、 「ヘヴィメタル」というくくりがどのような曲を指すのか、 いまいち自信がないのですが、この曲はちょっと重めかなあ(感じとして)、 と思ったので、ヘビメタということにしてみました(爆)。 「HEAVEN'S DOOR」自体が、アクセル・ローズの影響をモロに受けたアルバムで、 全体的に「ヘビメタ」なのかもしれません。
ロックが好きで、 メロディラインよりも「楽器としての」声とかギターリフとかが気になる人には、 絶対に評判がいいと思います、この曲。 逆にポップス系の「聴きやすい」曲が好きな人には、とっつきにくいかもしれない。
ヴォーカルは、歌い出しは静かで低めなんだけれど、 どんどんハイトーンになって行って、森川さんのシャウトの魅力が爆発します。 叫んでも濁らないし、高くてもキンキンした感じがないので、 こんなに耳障りでないハイトーンシャウトができるんですね。
歌詞を読むと、このnaughty boy(腕白坊主)って、森川さん自身なんだろうな、 って思います。等身大の森川さんを感じられる曲。


The end of... [00.05.28掲載]

作詞小林ひろかず
作曲230
編曲230
曲調スローテンポ、シリアス、中音域から高音域、バラッド、子守歌?
収録 1994/11/2 HEAVEN'S DOOR
2003/5/28 JOLLY ROGER LIVE 2003 in CLUB CITTA' (Live Version) (DVD)

全編アコースティックギター1本をバックに歌い上げる、 とてもやさしいやさしい曲。
歌詞をよく読むと、とても悲しい曲なのかもしれないけれど、 曲調と森川さんの声だけ聴いていると、ゆったりとしたあたたかさを感じます。 「子守歌」には、そういう意味ではうってつけ。
次に続く「MARIA」もやさしくてあたたかいけれど、 強さを感じさせてくれるのに比べて、この曲は、 すっぽりと包まれる感じと安らぎを与えてくれる。 同じ「孤独」や「悲しみ」を感じていても、それに立ち向かうのではなく、 頼り切って、癒してもらう、ということに甘えている感じ。 アレンジの与える影響、というのは大きいかもしれないけれどね。
そういえば、高音の出し方が、今とかなり違うような気がします。 今と、というよりも、曲によって、 なのかもしれない(声と年代を細かく意識して聴いた覚えがあまりないので)。
こんな曲、目の前で引き語ってもらっちゃったりしたら、乙女チックな女の子なら、 そのまま陥落、ですね。ギターの弾ける男の子は、挑戦してみよう!! (笑)


MARIA [99.10.10掲載]

作詞森川智之
作曲森川智之
編曲230
曲調スローテンポ、バラッド、中音域から低め、ラブソング
収録 1994/11/2 HEAVEN'S DOOR
2003/5/28 JOLLY ROGER LIVE 2003 in CLUB CITTA' (Live Version) (DVD)
2007/8/8 森川智之ディナーショー 冬の陽の暖かさに包まれて in 赤坂プリンスホテル (ライヴ・バージョン) (DVD)

実をいうと、曲より先に、 ブックレットの菊池志穂の裸の肩が思い浮かんでしまう作品。 今の鈴のパソコンの壁紙だったりする。(爆)
あ、いやいや。そうじゃなくて。
アルバム全体がヘヴィーな印象があるし、実際、とっつきは悪いかもしれないけれど、 このテの曲が好みのロックファン(鈴もそのひとりかな?)には、 堪えられない曲ばかり揃っているのだが、その中では聴きやすいほうに入ると思います。 でも、全体のトーンが統一されたアルバムの中で、浮いている、ということもないので、 そういう意味ではかなりシブい曲。「ポップ」じゃないしね。
6/8拍子のやわらかなメロディラインと、ちょっとクラシカル…っていうんでもないな、 ゴージャス、というんでもない、なんというか、清浄感漂うアレンジが、 シブいながらも、済んだ美しさを感じさせます。 たぶん、「HEAVEN'S DOOR」の中では、鈴はこの曲がいちばん好き…かな。
歌声も、全体的に低めで静かなので、高音の伸びとかは望むべくもないけれど、 とてもやわらかであたたかくて、激しさはないけれどとても強くて、楽しいうれしい、 ばっかりの詞じゃないけれど、安心して身をゆだねていられる感じ。
ううーん、自分がMARIAになった気分になれる、ということか? (笑)


HEAVEN [00.06.25掲載]

作詞森川智之
作曲230
編曲230
曲調スローテンポ、シリアス、中音域から高音域、バラッドって言うのかなあ
収録 1994/11/2 HEAVEN'S DOOR

たぶん、とても暗い印象を受ける曲。「HEAVEN'S DOOR」の最後の曲で、 「最後は死んじゃうんですけどね」とご本人もライヴだったかで言っていたけど、 レクイエムなのかな。 イントロをしっかり聴いてみると、そういう気持ちに拍車がかかること請け合い。
抑えた歌い出しから、手をさしのべるように広がって行く曲の展開、 絶望の淵からも希望をつかみ取ろうとする前向きな歌詞、など、 第一印象で受ける「暗い」印象のひと言で片づけてしまうには、 もったいない魅力のありすぎる歌だけれど。それよりも。
クレジットを見ても、バックヴォーカルにも森川さんひとりの名前しかない。 この厚みのあるコーラスが全部、森川さんひとりのいろいろな声を重ねたものなんだ。 そう思って聴くと、ひとつひとつの声がまぎれもなく森川さん。 必死で求め続ける「主人公」としてのメインヴォーカルの声だけでなく、 バックヴォーカルのひとりひとりの声を、注意深く聴いてみると、 曲の世界がもっと広がる気がする。
でも、なんか、最後がこの曲だと、ツラくなっちゃう人もいるかもしれない、と、 この世界に馴染むようになってから思うようになった。 ロックしか聴かなかった頃には、思いもしなかったことだけれど。


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