森川智之プライベート・コレクション

2HEARTS 1st Live「Two my self」


2HEARTS 1st Live「Two my self」
日時:2004年1月31日(土) 18:00〜20:15
場所:Zepp Tokyo
出演:2HEARTS(立木文彦&森川智之) with BLOODY RUBY

SET LIST

Introduction
1.H.P.D.-happy days-
2.QUESTION
MC(挨拶)
3.未来に舵を取れ
4.異次元飛行〜αtoω〜
MC
5.wanderer(メンバー紹介)
6.Two my self
MC
7.約束(アコースティック)
MC
8.ANSWER
9.Best Partner
MC(BLOODY RUBY紹介)
10.YO-HO-風と歌おう-
MC
11.H2O
12.TOGETHER〜道なき道を進め〜
13.EVER FREE
MC
14.夢のありか
アンコールその1
15.Two my self
MC
16.H.P.D.-happy days-
アンコールその2
告知
17.EVER FREE

BAND MEMBERS

BLOODY RUBY
Guitar飯塚昌明
近藤尚如
Bass瀧田イサム
Drums市川義久
Keyboards高山淳
Chorus飯塚昌明/瀧田イサム

COSTUME
立木:
黒のシャツ襟ジャケット、前は開けている。インナーは、小豆色の長袖Tシャツ、 胸にはグレーとグリーンでプリントが入っている。文字も書いてあったが、 「up with you」しか読めなかった。黒のレザーパンツ、黒い靴。 黒のレザーのバンダナキャップ、濃いめのサングラス。
ラストの「夢のありか」でジャケットを脱ぎ、アンコールもそのまま。
森川:
黒のTシャツ、黒のレザーパンツ、黒い靴。黒のサテン地(のように見えたが、 照明の加減で、薄いレザーとかだったのかも)のような素材の、 スタンドカラーのコートジャケット。1曲目の「H.P.D.」までは、 襟のスタンドをベルトでとめていて、2曲目の「QUESTION」に入る前にそれをはずす。 止めていたのは襟だけなので、そのまま前は開けたまま。 シルバーの飾りクロスの短めなペンダント、銀縁の薄いサングラス。
「夢のありか」のときに、上着を脱ぐ。
アンコールでは、背中と左胸に白い龍の絵の付いた黒の長袖Tシャツに着替えている。 アンコール以降はサングラスはなし。

MC

MC等の中から、印象に残ったものをいくつか。

ふたりの挨拶。
森川「はじめまして。」
立木・森川「2HEARTSです。」
立木「新人ユニットです。よろしく。」
森川「2HEARTSの、トシです。」
立木「ちょっと年上だけど、フーミンです。」

森川「2HEARTSは、持ち歌6曲しかないから、昔の歌もとりまぜてね。 デビューなのに昔の歌、っていうのもおかしいけどね。」

「Two my self」で、サビの部分を、何度も客席に歌わせる。 「もっともっと」と煽っているわけだが、
森川「できるまで、先生、帰さないよっ!!」

「Two my self」の後、椅子が出てきて、 バックもアコースティックギター2本とパーカッションだけになる。 落ち着いて話を始めたふたり、ついつい長話に。
出番を待ちつつ、ギターを抱いた飯塚さんも近藤くんも、 後ろでパーカッションを抱えた市川さんも、だんだん姿勢が低くなる…(笑)。 リラックスしてきた、ってこと?

森川「立木さんの声を聴いてると、あれが飲みたくなるね。」
立木「あれね。『洗練されたクリアな味、アサヒスーパードライ』。 これが辛口。僕たちはちょっと甘口。」

森川「昨年の年末ぐらいからアルバム作ってたんですよ。 最初はジャケット撮影。オーストラリアで。」

森川「2HEARTSの『S』は、普通は『S』が付くとおかしいんだけど、 『S』が付いたのは、ここにいるみなさんのハートが重なっているからです。 ね。こんな深い意味があったなんてね。」
立木「さっき考えたんじゃない?」
森川「いやいやいや。」

森川「今、これ、夢のありか出張版。」
立木「今回は出張版で。」
森川「ここが夢のありかなんです。」

どうしても「トシ」「フーミン」に慣れず、 「モリモリ」「立木さん」と呼んでしまい、言い直すこと多数。
森川「この名前にも、早く慣れようよ。でも、『トシ』って言われると、 うちの母親がそう呼ぶんで、実家に帰ったみたいな感じだよ。」

「約束」を紹介するときに、
立木「これ、3回ぐらい歌ったことがある。 1回目は自分のライヴで渋谷で歌って、2回目は表参道で。」
森川「俺、行ったな、そのライヴ。」
立木「来てくれたよね、ありがとう。2HEARTSはあそこから始まってるんだよね。」
森川「あ、そうなの? もっと前だったんじゃ。」

森川「僕もこの曲(『約束』)、好きですよ。」
立木「自分が言ったことに責任が持てるようになりたいね。」
森川「でも、37になりまして。」
と言ったとたんに、立木さんがまたもや、「Happy Birthday」を歌い始める。 間違えて、「Dearモリモリ」と言ってしまい、もう一度、と歌い直すが、 今度はリズムも歌い方も全然違う。さすが、立木さんだ。 二度目はちゃんと「Dearトシ」。
森川「(うれしそうに)最高。素敵なおじさんを目指して、ね。 今までにないおじさんを目指したい。新しいおじさん。」
立木「同じ仕事仲間では、どんな人?」
森川「賢雄さん。」

「約束」の後、「ANSWER」を紹介する際に、
森川「いい曲だね(『約束』のこと)。 この曲はもしかしたら、この場を待ってたのかもしれないね。」
立木「次の曲も好きなんだよ。聴いてて、涙が出る。」
森川「プレッシャーかけないでくださいよ。 『約束』のときには、僕、そんなこと言いませんでしたよ。」

BLOODY RUBYを紹介するとき、「僕らはトシとフーミンだから」と、 ひとりひとりの呼び名を決めていく。 実は前もって、「何て呼ばれたいか考えておいて」と言っておいたらしい。 冗談かと思っていた飯塚さん、 ジョークで言ってしまった「ジョニー」で決定されてしまい、 思わず「しまった」という顔になる。 その後も何度も、「撤回させてください」「チャンスをください」と訴えるが、 再度の自己申告はみんなに認めてもらえず、結局「ジョニー」に。 会場からかかる「ジョニー」の大歓声に、
「うるせえ、黙れ。さもなければ帰れ。」
「ひとりひとりいたずら電話してやる。」
「ジョニーって呼ばれても振り向かないからな。」
森川「ははは。絶対振り向く。」

近藤くんは、自分では決められなかったらしい。 なんと無謀にも、森川さんに、考えてほしい、と依頼する。
森川「俺が考えると、お笑いになっちゃうよ。ヒサユキだから…。」
立木「ひーちゃん。」
森川「ひーちゃんは、うちの相方ですから。」

というわけで、フーミンとトシのバックをつとめる5人は、
飯塚昌明:ジョニー
瀧田イサム:タッキー
近藤尚如:ヒッサ
市川義久:イッチー
高山淳:ジュン(「ジョン」だったはずなんだが、なぜか本名に)

「YO-HO」で、客席との掛け合いをやったのだが、調子に乗った立木さんが、 2HEARTSの次のライヴは、京阪神、名古屋、北海道、と煽る。 森川さんは驚いた顔で、「え、いいのか」と言いたげに立木さんを見つめるばかり。
森川「言っちゃったもん勝ちって感じですよね。びっくりしましたよ。 昨日考えてたの?」
立木「今浮かんだ。俺、思いつきで生きてちゃ駄目だよね。」

アンコールで呼び戻され、1曲披露して落ち着いた後、
森川「音楽を目指している若い人とか、いっぱいいるじゃないですか。 我々は、恵まれすぎてます。」
客席から「実力」と声がかかるのを、
森川「まだまだです。僕らは、歌に関しては、まだまだガキなんです。 もっともっと、みんなに感動を与える歌を歌いたいな、と思います。」
立木「2HEARTSは、君たちの応援歌をずっと歌い続けます。」

2回目のアンコールの最後は、バンドメンバーと手をつないで全員で挨拶した後、 ハケようとした立木さんを、森川さんが手招きして呼び戻す。 そして、ふたりだけで、今度は長い長いお辞儀。言葉にはしなかったが、 たぶん、ふたりにとっても、忘れられない時間になったはず。 1回目のアンコールが終わって引っ込むときに、 投げキッスをしながら陽気な笑顔を見せたのと対照的に、 少しトーンの落ちた声と、心なしか強ばった表情。
「ありがとうございました。また会いましょう。」


IMPRESSIONS

何も言うことはない。素晴らしいライヴになるだろう、ということは、 立木さんの歌を知っていて、アルバムを聴いたときから確信していたから、 何も不安はなかった。どんなに期待したって、その期待を上回ってくれるだろう、 という信頼もあった。そして、それをまったく裏切られなかった。
最初は緊張していたらしく、肩が上がっていた森川さんも、 すぐに笑顔を見せてくれるようになった。 すべてにおいて、立木文彦という、安心して信頼できるパートナーを得たことが、 いちばん大きいことなのではないだろうか。 「ふたりでやること」のメリットが、最大限に生かされた感じだった。

Introductionは、 「H.P.D.」のイントロに使われているオリエンタルサウンドのモチーフ。 それに合わせて、舞台上に用意されたモニターに、 リハーサルやレコーディング風景の動画が映し出される。 なかなか貴重な映像ばかりだったが、ちょっと画面が小さかったかなあ。 後ろのほうの人は、見えなかったのではないだろうか。

今回の目玉のひとつだった(本当か?)、お互いのソロ曲の2HEARTSバージョン。 なんとなく、森川さんは、立木さんの曲で、代わってソロをとることが多かったが、 立木さんはコーラスが多かったような気がする。気のせいかもしれない。 立木さんが歌うとこんなに感じが違うんだな、と、と思ったことも1回じゃないから、 やっぱりたくさん、ソロで歌ってくれたんだろう。
やっぱり、今までソロでしか聴いたことのなかった曲に、相手が入ってきてくれると、 それだけでゾクゾクする。 特に立木さんのコーラスは、リズムも素晴らしく、厚みを増してくれる。 一家に一台、立木さんがあったら、自分の歌もすごくうまく聞こえるに違いない。 (無理無理。コーラスに負けるって。(笑))
CDではもとより、ライヴでも聴き慣れている曲でも、 この曲ってこんな感じだったんだ、と、あらためて見直すことも多かった。

意外な印象といえば、「YO-HO」。「アンジェリーク」の中では地味な歌で、 リズムもメロディラインも明るいのだが、いまひとつ派手さに欠けるというか。 立木さんが、ネオロマンス・フェスタ3で歌ったときにも、 そんなに目立った印象はなかったのだが、やはり、ライヴアレンジのせいだろうか。 なんと素晴らしい。陽気で、楽しくて、本当に一緒に踊り出したくなる。 森川さんも一部ソロをとってくれたが、力強く歩を進める立木さんに比べて、 ちょこまかとカワイイ感じ。

「2HEARTSの売りは歌、振りは期待しないで」と言っていたが、応援歌の筆頭(?)、 「Two my self」のサビに、振りというか、なんというか、が付いた。 とても簡単で、象徴的で、誰にでも一緒にやりやすい、 ある意味、理想的な振り付けである。自分たちで考えたんだろうな。
でもなんか……体操みたいだ……。

振りといえば。「H2O」で、「SOS」「I miss you」に、これも簡単だが、 印象的で、こっちはけっこうカッコつけた感じの切なげな振りが付いているが、 特に「SOS」のほうは、森川さんお得意の動きの集大成のようなもの。 それを、なんと、立木さんも一緒にやってくれていた。舞台でふたりで並んで、 そろった振りを披露してくれたときには、口が「あ」の形に開いたまま。(笑)

本編の「EVER FREE」で、ステージ両脇から、銀色のテープが客席に飛び出す。 30cmほどにカットしてあり、空中に発射された後、ふわふわと降りてくる。 カットされているから、からまず扱いやすい。 ペンライト代わりに手に持って応援する人も多かった。
でも、サイリウムじゃないんだ…。(←サイリウムの雨がけっこう好き)

そして、同じく「EVER FREE」では、素晴らしいシャウトが披露された。 エンディング間近、立木さんの「EVER〜」に続いて、 森川さんの見事なハイトーンで、「FREE〜」。最高だ。シャウト、最高だ。 「QUESTION」でも「夢のありか」でもシャウト健在で、うれしかった。

ラストの「夢のありか」を歌い始めるときに、上着を脱いだ森川さん。 インナーのTシャツは、身体にぴったりしたタイプで、 袖の長さも二の腕の半分までない。今までも半袖だったときはあるが、 たいがいはゆったりしたラインで、袖もひじ近くまであることがほとんどなので、 えらくなまめかしい。厚いけれど厚すぎない胸板、筋肉の付いた肩、 力強く盛り上がった二の腕を惜しげもなくさらけ出している。これは目の毒だ。
実際、私は逞しい男性の身体に魅力を感じるほうではないが(むしろムキムキは苦手)、 それでも、 目の前に水着姿のナイスバディなおねーちゃんを投げ出された男の子よろしく、 俺、スリムなコのほうが好みなのになあ、と思いながら目のやり場に困る、 という気分を、嫌というほど味わってしまった。 すみません、「夢のありか」前半は、マトモに歌の記憶がありません…。
記憶にある限り、みんなの前でこれだけ身体のラインを露わにしたのは、 初めてだと思う。オータム・ライヴ大阪でちょっとだけ、 薄いジャケット越しに見えそうな機会があったが、ほんの一瞬で、 上着を替えてしまったし。もしかして、2HEARTSは、この路線でいくんだろうか。 だとしたら、今のお目目がハートのお嬢さん方が、 そんなのに目を奪われないぐらいの歌を歌わないといけないから、たいへんだ。

MCは、森川さんが中心で、それに立木さんが口をはさむ感じ。 レポートとか書いてると、森川さんの発言のほうが多いが、 それは私が森川さんのファンだからではなく(多少はあるかもしれないけど)、 基本的に発言量が圧倒的に森川さんのほうが多いから。 話を振るのも、進行するのも、森川さん。
それでも、どうも間合いが見えていないようだ。何かを期待して立木さんを見ても、 立木さんはあさってを見ていたり、考えてもいなかったような反応が返ってきたりして、 驚く様子も何度も目撃できた。
ふたりのユニットは素晴らしい。でもまだ、お互いに相手の呼吸がわかっていない。 一方通行は論外、視線を交わして意思疎通を図っているうちはまだまだ。 背中合わせでも、ぴったりとシンクロしてこそ、 真のユニットと言えるのではないだろうか。是非そうなってほしいものだ。

2HEARTSは、ふたりの個性が、とてもうまく融合したユニットだと思う。 立木さんも素晴らしいヴォーカリストだが、森川さんとは、影響を受けた音楽も、 得意なタイプの曲も違う。その彼らが、お互いの魅力を発揮できるような、 素敵な曲たちと、アレンジと、無理のない印象的な歌詞(尾崎雪絵の詞は、本当に、 符割りやメロディの流れに無理がなく、さらっと入ってくる、いい詞である)。 プロデューサーの腕もあるだろうし、その期待に応えられる彼らの力でもある。
でもやっぱり、ある程度は相手に歩み寄らないといけない。 得意でない音楽をやらないといけないこともある(もちろん、 それを克服するのは大歓迎だが)。 そういう意味では、森川智之の本来の音楽とは、傾向を異にする。 ユニット活動には期待したいが、是非とも、ソロ活動も忘れずに続けてほしい。 森川智之独自の魅力を存分に生かした、得意分野に偏った音楽を。 たいへんかもしれないけれど、時間もないかもしれないけれど。 でもやっぱり、森川さんのハイトーンシャウトを思いっきり堪能したいし、 ギンギンなハードロック・ヴォーカルが聴きたいんだ。


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